ANA国内線【PR】

まえうしろ うしろまえ

私の背中は前にあって
私のおなかは後ろにある

私の目鼻は後ろにあって
ポニーテールは前にある

服のタグも前にあって
ボタンはぜんぶ後ろでとめる

つま先は後ろを向き
かかとは前を向いている

世の中みんな 後ろが前を
前が後ろを向いている

なのに 誰も気づかない
あべこべ あべこべ あべこべ



# by saekokeshi | 2011-06-18 22:09 |

サムソンとデリラ@ドイチェ・オーパー

Musikalische Leitung: Alain Altinoglu
Inszenierung: Patrick Kinmonth
Bühne, Kostüme: Patrick Kinmonth, Darko Petrovic
Licht: Manfred Voss
Dramaturgie: Katharina John, Miriam Konert
Chöre: William Spaulding
Künstlerische Produktionsleitung: Christian Baier
Dalila: Malgorzata Walewska
Samson: José Cura
Oberpriester des Dagon: Laurent Naouri
Abimélech, Satrap von Gaza: Jörn Schümann
Ein alter Hebräer: Ante Jerkunica
Kriegsbote der Philister: Clemens Bieber
Erster Philister: Peter Maus
Zweiter Philister: Sergio Vitale

ちょっと、いまひとつ、であった。音楽は良かった。歌はまあまあ。でも、演出が。

サムソン(Jose Cura)は声は悪くなかったけど、恋に落ちた救世主、神への義務とデリラへの愛とでの板場み、その凄みがいまいち感じ取れなかった。時々咳きこんでいて、ちょっと調子が悪かったようだから、そのせいもあったのかも知れない。ダリラ(Malgorzata Walewska)はちょっとあまりにも芝居がかって(ってお芝居なんですが)いた割にはキャラクターがいまいちつかめず・・・。

服飾にまったく不案内なのでいつ、どのへんの設定なのかはわからなかったが、服装は近代ヨーロッパ風。ドレスにシルクハット。舞台上には客席方向に線路が三本。

裏切られ、さらしものにされたサムソンの最後の祈りによって神殿が崩れ皆死んでしまう、という結末はどんな表現になるのか楽しみにしていたのだが、これも・・・祝いの宴の出席者(サムソンとデリラ以外)が服を脱ぎ捨て、客席に背を向けて歩き去っていく、というもので、私にはよくわからなかった。
このラストシーンでは両端の線路に扉のあいた貨物車が登場し、劇の終わりと共にそれが閉じられる。下着姿で舞台後方へと向かうコーラス隊の背中とあわせて見ると、まさに強制収容所へ向かう列車、という体で少しぎょっとした。どう解釈したらよいのか、いまだにわからない。破滅、すべての破壊という結末を表したかったのか。実際の歴史でこの列車に乗せられたのはユダヤ人(サムソン側)だが・・・。
この強制収容所ゆきの列車というイメージと、もともとの物語とのパラレルが唐突過ぎるところに問題があるように思う。少なくとも私にとっては、この表現は唐突であった。全体を通しても、演出は何だかちぐはぐだ、という印象を受けた。

幕が下りた直後、拍手するのに一瞬躊躇したがそれは他の観客も同じであったようだった。専門家がどう見るのかは知らないが、残念ながらこの演目、あんまり人気は出ないのではないかと思う。



# by saekokeshi | 2011-05-20 07:24 | 聴いたもの

ドン・カルロ@ベルリン国立歌劇場

Musikalische Leitung: Massimo Zanetti
Inszenierung: Philipp Himmelmann
Bühnenbild: Johannes Leiacker
Kostüme: Klaus Bruns
Chöre: Eberhard Friedrich
Philipp II: René Pape
Don Carlo: Fabio Sartori
Rodrigo: Alfredo Daza
Der Grossinquisitor: Rafal Siwek
Ein Mönch: Andreas Bauer
Elisabeth von Valois: Amanda Echalaz
Prinzessin Eboli: Nadia Krasteva

「見たもの」か「聴いたもの」かどちらにするか一瞬迷ったが、やはり見た目がどうあれ声がお粗末ではオペラにならぬ、ということでオペラはやはり「聴いたもの」にする。当たり前か。国立歌劇場のドン・カルロ。
これは演出が素晴らしかった!!!7年前くらいに初演されたものらしい。演出家はPhilipp Himmelmann。
シンプル極まりない舞台装置。現代的な衣装。作品のなかにある「時代を超えた」要素をこれでもか!と引き出している、そんな感じ。
舞台の中心にはテーブルが一つ。修道院でのシーンや、処刑の場面ではコーラスのためにシンプルな椅子がずらりと並んでいたけど、でも基本的にはそれだけ。処刑の場面が特に印象的。5人の死刑囚が裸で苦しんでいるすぐ後方で、王室の面々はテーブルについて淡々と食事をとっている。このコントラスト。死刑囚が最後に足に結ばれた縄でつるし上げられるのも、役者さんたち頭に血が上っちゃうよ、大丈夫か、と思いつつ、ものすごいインパクトであった。

ストーリー、見どころなどは「すずめ」さんの作品解説で予習していったのだが、これが非常に的を得ていてありがたかった。やはり予習というか前知識は大事だなと思う。余計なところで頭を悩ませずに済むから。すずめさんのホームページは心からお勧めする。(『オペラはお好きですか?ようこそ、すずめの部屋へ』で検索すると一番にヒット。)


さて、「ドン・カルロ」はかげりゆくスペイン・ハプスブルク家を書いた物語なのだが、設定を多少変えれば今の世でも十分にありうるハナシである。今日の観賞中の私の脳内設定:

ハプスブルク家、スペイン: いろんな問題をかかえつつも繁栄を極める巨大コンツェルン
フェリペ2世: コンツェルンの社長。権力の座にあるが家庭内不和で孤独を抱えている
宗教裁判長: コンツェルンの会長。最終決定権を握っているのは実はこの人
カルロ: 経営者一族のダメ息子、義理の母への恋にうつつを抜かす(あ、光源氏みたい?美男子じゃないけど)
ロドリーゴ: カルロの親友、忠誠心厚い社長の右腕
エリザベッタ: ダメ息子に(なぜか)恋しつつフェリペ社長と政略結婚させられたお嬢様
エボリ侯爵夫人: セクシーな社長秘書。社長と不倫中

開演前にひょこっと誰かが舞台上に出てきて「今日はテノールがちょっと体調悪いらしくて、どこまでちゃんと歌えるかわからないのでご理解のほどどうぞよろしくって言ってます」なんて宣言していたが、素晴らしかったぞカルロ。キャラクター的には(ダメ息子)好きになれなかったが、Fabio Sartoriさん、頑張ってくれました。
しかし今日一番良かったのはフェリペ2世!!!哀愁漂う背中に惚れた。エボリではないが私でよければいくらでも御慰めいたします、むしろさせてください・・・!!!などと言ってみたくなる(笑)。René Papeさん、見た目もスラリとしていてダンディなのになんでそんなすごい声が出るんだ。(写真:http://www.classiccard.de/programm/person_detail.php?user=12813)
ロドリーゴも、最初はフェリペと並ぶとちょっと見劣り(聴き劣り?)がするかもと思ったが、舞台が進むにつれて気にならなくなった。カルロをかばって自分を犠牲にするシーンはぐっときた。そしてここでロドリーゴの手をとらない優柔不断なカルロ。ダメ男め。
エボリ夫人は最初はものすごくわざとらしいセクシーさが(いや、わざとやってるんでしょうけど)ちょっとしっくり来なかったが、後悔と絶望の果てにカルロを救おうと決意して立ち上がるところなんかは、すごく良かった。こちらも舞台が進むにつれ良くなっていった。私が役柄に慣れただけかもしれないが。
エリザベッタはヒロインの割に結構地味だったが、地味にひたすら耐える、そこに凄みがあるのだからそれでいいのであろう。好演。しかしフランドルを助けに行くんだと主張するカルロとの言い争いの場面でいきなりアイロンをかけ始めたのは何だったのだろう。何かのパロディか・・・?


これまでもいくつかベルリンでオペラを見てきたが、今日ほど面白いと思ったのは初めてかもしれない。はまりそうである。



# by saekokeshi | 2011-05-18 07:54 | 聴いたもの

旧ナショナルギャラリー

今日は(めずらしく)午前中に家事をすませ、図書館へ行って、美術館島の旧ナショナルギャラリーへ行ってきた。
図書館では偶然語学パートナーの旦那さん(イケメンオルガニスト!笑)に遭遇。ラッキー。

旧ナショナルギャラリーはベルリンの中心(ミッテ)地区、シュプレー川沿いにある。
そのコレクションは1861年に銀行家ワグナーJoachim H. W. Wagenerが当時の皇室に自らのコレクション(262点)を遺贈したことに端を発し、当初はウンター・デン・リンデンにあった芸術アカデミーAcademy of Artに収蔵されていた。現在の旧ナショナルギャラリーの建物は、このコレクションを展示するためにHeinrich Strackの支援のもとAugust Stülerのデザインに沿って1867(66?)~1876に建造されたものである、そうだ。

収蔵品の範囲は19世紀美術(フランス革命~第一次世界大戦、古典主義~分離派)。19世紀の中で19世紀美術を楽しめるという、19世紀づくしの美術館。コレクションを今ある形へと導いたのは熱意あるディレクターたち、特にHugo von TschudiとLudwig Justiで、Tschudiは皇帝の反対を省みず印象派の作品を購入。Tschudiの後継者であるJustiはその方針を受け継ぎ、印象派コレクションをさらに拡大した。えらい。(現在この印象派コレクションの多くは新ナショナルギャラリーに収蔵されている・・・らしい。あそこで印象派をみた覚えがあまりないのだが・・・。)

第二次世界大戦で被害を受けたが(このとき焼失してしまった作品、ロシアへと移送された作品はいまだ確定されていない)、1949年にすでに部分的に再オープンを果たし、1955年にはすべての展示室が公開された。当時は同時代の芸術作品も併せて展示していたそう。東西分裂の時代には、重要な作品は西ベルリンに残り、シャルロッテンブルク城のオランジュリーにて、1986からはロマン派ギャラリーにて公開されることとなった。

今この美術館で見られるコレクションが再び美術館島へ戻ってきたのは、東西統一後のこと。後期古典主義とネオルネッサンスの間をゆくこの建物は、その南側・東側をとりまくギリシア式柱廊(ここを歩いてると逍遥学派な気分になる。シュプレー川も見えるのでお勧めうろうろスポット)とあいまってまさに「神殿」「美の殿堂」といった趣をもっている。展示品にもキリスト教美術はほとんどなく、ああこの場はl'art pour l'art(芸術のための芸術)の権化だ・・・と断言してよいかは勉強不足にてちょっとわからないが、とにかくそんな印象を受けた。

みんな、何を求めてここに来るのだろう。自分は、何を求めてここに来たのだろう。ヴァレリーの「美術館の問題」をひきずって、いろいろ考える。

今日は2階と3階だけ見てきたが、ベックリンの「死の島」(構図がとんでもなく成功している)とルノワールの・・・題名がでてこない・・・赤白縞のワンピースの黒髪の少女の絵がよかった。ロダンの「青銅時代」は西洋美術館にあるものよりだいぶ青緑にさびていた。こちらのほうが古いのか?保存状態の問題か?これはこれで味があってすごい。また今度1階をじっくり見にゆこうと思う。



# by saekokeshi | 2011-05-14 19:23 | ベルリン

コンサート@フィルハーモニー

指揮: Pietari Inkinen
ピアノ: Yuja Wang
オケ: Staatskapelle Berlin


JEAN SIBELIUS
Sinfonie Nr. 7 C-Dur op. 105

SERGEJ PROKOFJEW
Klavierkonzert Nr. 3 C-Dur op. 26

IGOR ST RAWINSKY
»Le sacre du printemps «


合唱をさぼってコンサート。指揮者が若くてびっくりした。フィンランド出身の若手有望株だそうで、ときどきふっと「なんか今ずれたのかな?」と違和感を感じることもあったが悪くなかった。しかし今日のコンサートで素晴らしかったのは、なんといってもピアノのYuja Wang。ある友人のご両親(音楽マニア)がパリで彼女の演奏をいたく気に入ったとのことで、折り紙つきでもあったので大変楽しみにして行った。いや、よかったです。
ピアノを弾くために魔法にかけられたような両手が、bezaubernd(うっとりさせるよう)な音色をつむいでいく。「表現が豊か」というのはこういうことなのかと、耳の利かない私でも思った。

最初の2曲は初めて聴く作品で、特にシベリウスの交響曲第7番は頭の中に色々なイメージを送ってくれた。忘れないうちに書きとめておく。
なにもない所にぽつんと現れた小さな泉からこんこんと水がわき出て、湖になり波打つ大海原になり、その波のあいだから人の群れがぽこぽこと現れ、輪舞し、それがひとつにまとまってピンク色の巨大な聖霊の形をとる。と思いきやじわじわとこの聖霊を脅かす神様みたいのが波のあいだから現れ、聖霊とにらみ合い闘ったりした後、互いにぶつかりあって混ざり合い、はじけて海にもどり、それでも緊張をはらみながら、やがてひとつになる。
みたいな感じ(笑)

春の祭典はトランペットがかっこよかった。

最近コンサートとかオペラとか、美術館すらあんまり行っていなかった。プチ・スランプに落ち込んだのはそのせいかもしれない。ベルリンにいられるのもあと3カ月弱。精出して色々出かけたい。



# by saekokeshi | 2011-05-12 07:17 | 聴いたもの
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ベルリンのいち交換留学生。見聞きしたもの、体験したもの、レビューなど。上のロゴ画像はジョルジョーネ唯一の女性肖像画"Laura"、ウィーンの美術史博物館にあります。
by saekokeshi

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